
誰もがご存知の日産自動車は全社員を対象に在宅勤務制度を導入しています。
「あの日産が!?」と驚かれる皆さんも多いことでしょう。
実は日産が在宅勤務を導入した歴史は意外と長いのです。
その歴史を紐解いていくと・・・
● 2006年、在宅勤務制度導入。
導入当時はまだまだ使いにくい制度でした。
なぜならば在宅勤務制度の「縛り」があるからです。
- 育児や介護による利用に限られる。
- 在宅勤務制度を使うには1カ月前の申請が必要。
● 2010年、生産工程以外の全社員が対象に。
しかも、育児・介護の「縛り」に関係なく制度を使えるようになりました。
この大きな前進の背景にはネット環境の進化があります。
具体的には、チャットやテレビ会議システムをフル活用しました。
(私の在宅勤務もまさにこれです。)
これにより「縛り」が無くなったわけですから、在宅勤務の利用率が上がりました。
制度を使う社員は前日までに在宅勤務の開始・終了時間や業務内容をメールで上司に報告することになります。
タイムカードと日報の役目になるわけですね。
(これまた、私が在宅勤務を始めた当初とそっくりです。)
● 2014年、利用の上限を月5日(40時間)に拡大。
前日申請も可能になりました。
● 2015年、40時間以内なら日数制限なし。
日産の賞賛すべき点は、当初使いにくかった制度を年月をかけてここまで進化させたことです。
企業ですから、効率が悪ければ廃止してもおかしくありません。
それをあきらめることなく従業員の「働き方」を考えてここまで昇華させてきたわけです。
日本発・世界を代表する企業の名に恥じない取り組みですよね。
実際、在宅勤務制度を使った社員はどう感じたのでしょうか。
利用者の調査があります。
97%が生産性が『向上した』または『変わらない』
という結果が出ました。
在宅勤務のメリットが見事当てはまった結果と言えます。
他にも、育児による在宅勤務の利用者は男女合わせて改正前の3倍に増加しました。
全体の利用者は管理者を含め3427人まで広がっています。
総合的にみて、日産自動車の在宅勤務制度導入の成功理由は・・・
・テレビ電話やチャットの技術進化。
・一部の人達だけでなく全社員を対象にしたことによる不公平感の撤廃。
などが挙げられます。
これから将来、世界をリードし続ける企業として在宅勤務制度はより進化を遂げるのではないでしょうか。
日本の働き方改革のお手本となって欲しいと思います。
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